スチールラックを下段なしで安全に使う方法を販売店のプロが解説!
柔軟性があって、たっぷり収納スペースを確保できるスチールラック。
物が増えても取り付け方次第で、棚を何段にも設定できる便利アイテムです。
一方で棚板を好きな高さに調整できるからこそ
「下段部分の棚板を抜いて、床部分に物を置けない?」といった声も。
実は結論から言うと下段の棚板を抜いて使うことはできるんです!
とはいえ、下段を無くすとどうしても低下しやすいのが安定性。安全面が気になる所ですよね。
そこで今回は、スチールラックを下段なしで使う方法と注意点について、お問い合わせ約3,000件にお応えしてきたプロが解説します。
また、二大人気スチールラックメーカーの下段開放時に使える補強パーツは、こちらからご覧いただけます。
そもそも「下段なし」とはどういう状態のこと?
まず最初に確認しておきたいのが「下段なし」がどういう状況のことを指すかです。
たとえばスチールラックの国内シェアNo.1「ルミナス」シリーズを例に挙げましょう。
最下段の棚板は、床から30cm以内に取り付けるよう注意喚起されています。
他にも世界中で業務用ラックとして愛されている「エレクター」シリーズ。
こちらに関しては50cm以内に取り付けることになっています。
つまり下段なしといっても、この高さに収まるように床から離して取り付ける分には問題ないということです。
スチールラックの商品にもよりますが、まずは床から何cmまで離して取り付けられるか確認しましょう。
場合によっては通常の使用方法として、下段の棚下に収納ができるかもしれません。
下が空いてる棚を安全に使うためのポイント
では、次に30cm以上最下段を空けて使用するケースを見ていきます。
実際にただ下段なしにしただけの状態では、ポールが八の字状に開く力がはたらき危険がともないます。
特に地震などの衝撃があった場合には支える力が不足。転倒してしまう可能性もぐっと高まってしまうのです。
そこで実施していただきたいのが、3つの対策!
これにより下段を抜いても、安全に使うことができます。さっそく具体的な対策方法を見ていきましょう。
①スチールラックの上の段に物を置きすぎない
棚板を外すと、スチールラックの重心は上のほうに偏ります。
これに輪をかけるように上の段に物をたくさん置くとどうなるでしょう…当然、スチールラックが不安定になってしまいます。
そのため下段なしでスチールラックを使用する際は、特に上段に重たい物を置きすぎないよう注意してください。
また、左右の重さもなるべく均等になるよう配慮しましょう。
②スチールラックの耐荷重を必ず守る
スチールラックには、棚板1枚あたりに載せても安全性が保たれる重さ「耐荷重」が設定されています。
下段なしで使う場合に限りませんが、必ず説明書等に記載された耐荷重を守りましょう。
通常の使い方をする時以上に、余裕を持たせることも大切。
「これくらいなら大丈夫だろう」とギリギリまで積み込まないようしましょう。
もしも不安な場合は、前もって荷物の重さを測っておくのもおすすめです。
③脚部分を追加パーツで補強する
最後に、4本のポールを支えるためのパーツを別で購入する対策方法です。
棚板の下段なしでスチールラックを使うなら、安全性を確保するために補強が欠かせません。
そこで役立つのが、こうしたスチールラックの脚専用の補強用パーツ。いくつか種類があるので、次の章では代表的なものを挙げてみていきましょう。
補強用パーツの種類
ルミナス
スチールラックの国内シェアNo.1を誇るルミナスで取り扱っている補強用パーツが、
「コの字バー」と「ワイヤーバー」という商品です。
【コの字バー】
文字通りカタカナの「コ」の字になったバー。スチールラックの前面をのぞく三辺に柵を設けて、脚が開くのを防ぎます。
下段の棚板を抜いても、スチールラックの安定性を保てる補強パーツです。
ワイヤーバーが平面のパーツなのに対し、L字型の断面になっており強度が高くなっています。
【ワイヤーバー】
コの字バー同様足元を補強することができるパーツ。
断面が平面になっており厚みがないため、内側のスペースを広くとることが可能です。
囲む場合は3つのパーツが必要で、1辺ずつ分けて取り付けるため段差ができます。
エレクター
世界中で愛されるプロ仕様のスチールラック「エレクター」にも足元の補強パーツがあります。
【三方クロスバー】
足元の三方に柵を設けて、ぐらつきを防ぎます。床から50cmよりも高い位置に最下段の棚を取り付ける場合に使います。
クロスバーを取り付ける位置は、床から30cmの高さです。
下段なしのスチールラックを活用したい場所
市販されているスチールラックは、最初から床に近い位置に取り付ける用の棚板が付属しているものです。
スチールラックを組み立てる際は、この棚板を忘れずに取り付けているという人が多いでしょう。しかし、この下段の棚板が邪魔になることも少なくありません。
実際、当店にいただくお問合せの中で多いのが
「キッチンにスチールラックを置いて、下段部分にゴミ箱を置けないか」といった声です。
これまでお話ししてきた方法で下段を抜けばキッチンでのゴミ箱置き場に活用できるでしょう。
キッチンのゴミ箱上の収納については、こちらの記事もご覧ください。
同じくキッチンでも空いた部分に冷蔵庫を置いて、その上に収納場所を作る方法もあります!
あるいは玄関にスチールラックを置き、空けた下段にブーツや長靴など高さのある靴を収納する用途で使うのも良いでしょう。
このように棚板を外すだけで今まで以上に、お家の中を過ごしやすい空間できるかもしれません。
最初から下段が開放されたタイプのスチールラック
「スチールラックの下段部分を空けて、物を置きたい」
そんな時はワイヤーバーやコの字バーなどの補強パーツを買い足せば、下段なしでも安全に使用できるのをお伝えしました。
ただし、下段なしの状態で使うのが前提であれば、最初から棚板なしのスチールラックを購入するのもおすすめです。
こうした商品は、足元を補強するパーツが付属しています。
スライド型シェルフが付属した商品
キッチンで使い勝手の良い「スライドシェルフ」付きのラックもあります。「炊飯器を置いて引き出して使いたい」という方にも◎
地震対策に!つっぱりポール付きラック
とはいえ、コの字バーがあるからといっても、やはり下段がないと安全面が気になる方もいるかもしれません。
また、スチールラックに置きたいものが多いからこそ地震対策をしっかりしたいという方もいるでしょう。
そういう方におすすめしたいのが、突っ張りポール付きのスチールラックです。
天井に突っ張り棒として取り付けることができるパーツが付属しており、家に置いたその日から地震対策ができます!
まとめ
いかがでしたか?そもそも床から30cm程度までは、棚板を空けても問題なくスチールラックを使用していただけます。
それ以上のスペースを空ける場合にも、以下の3点を守れば安全に使うことが可能です。
②耐荷重を守る
③補強パーツを使う
また、ラック下部に物を置く予定なら、最初から下段が開放されたタイプの商品を使う選択肢も!
こうした製品では足元の補強パーツが付属しているほか、さらに突っ張りタイプのものも登場しています。
特に近年は地震対策が叫ばれ、大型の家電や家具を取り付ける際は転倒防止のアイテムなどを取り付けることが推奨されています。
下段なしのスチールラックを安全に、便利に使いたい方はぜひ参考にして活用してくださいね◎
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ライター。ヘルスケア・ワークライフの分野で、およそ10年執筆。
不安を「楽」「楽しい」に変えて暮らしを明るく…がライターとしてのモットーです!
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